アジアとサッカーとベルマーレと

地元湘南ベルマーレへの思いと、これまでさすらっていたベトナムやアジアの国々、これらをサッカーと言う切り口でつないで見たらどうなるかなあと言う思いで書き始めてみようと思います。

ベトナムのエース、Le Cong Vinhがコンサドーレ札幌へ?

 

 ついに来ましたねえ、ベトナムからいよいよJリーガーの誕生か?ベトナムのエースフォワード、レコンビン・Le Cong Vinh(以下「コンビン」)がコンサドーレ札幌のテストに招待されていると、ベトナム各紙が伝えました。


CONG VINH COMPILATION

 

 それによると、既にコンサドーレ札幌はコンビン側に条件を提示していると言い、かなり具体的な交渉に入ってきているようです。契約は1年間、給与は7,000ドル/月、年間700万円強でしょうか。それに住宅や通訳、2回の往復航空券も支給(細かく情報がリークされてますねえ…)と「それなりに配慮のされた条件」という受け止められ方のようです。今回はコンビンが所属している、というかして「いた」C.L.B Bong da Ha Noi (ハノイFC)というチームが、オーナーであるACB銀行の取締役の一人が逮捕されるなどのスキャンダルもあり解散、コンビンもそれにより所属先が決まっていない状況ということもありました。昨年末のスズキカップでも出場機会も多くないまま、活躍できず、「プレー態度に真剣さがない」など批判を浴びる場面も多い、ある意味逆風の時期もあっただけに活躍の舞台を変えるのは良い機会になるかもしれません。

 

 一時はポルトガル1部レイションイスSCでもプレー(2009)、2007年日本とも対戦したアジアカップ、2008年の北京オリンピックなど以降注目され、J2の愛媛FCもテストに呼ぶなど獲得に感心を示したこともあったベトナムのエース。タイリーグなどからも誘いがあったが断ったりしているなど、2度めの海外でのプレーになかなか踏み出せないでいるコンビンももう27歳、そろそろチャンスは少なくなってくるかもしれない中、今回の日本への切符をつかもうとするのでしょうか?もしかしたら一番の心配事は、美人の元歌手の奥さんとの間に今月初めに生まれたばかりの初めての赤ちゃんでしょうか?

 

 何より、もしこれでベトナム人Jリーガーが誕生したらベトナムにおけるJリーグの認知度は一気に上るでしょう。ベトナムでのJリーグ中継も更に増えるかも!?是非挑戦してみて欲しいですね!

 

川崎フロンターレがベトナム遠征へ!

 

 「アジア」と広くアンテナは貼るようにしつつ、個人的にはベトナム(や中国)との関係を最も気にしている筆者の関心にピタッと来るニュースが。J1の川崎フロンターレが6月にベトナム遠征、南部ビンズオン省のチーム、ベカメックス・ビンズオンFCと親善試合を行うというものです。Goal.comが現地側の情報からとして伝えました。

  

 ベトナム現地の情報というのを確認してみると、ベカメックス・ビンズオンFCのHPに情報がありました。「Jリーグのスター達と腕を競う」と題して伝えており、今もチーム及び日本代表の中心選手の一人である中村憲剛を始め、稲本、チョンテセなど数多くの有名な選手を輩出してきている名門として川崎Fのことを紹介し、同時に自分のチームも「川崎フロンターレと同様、Vリーグ屈指の選手を有するチームだ」とかなりの持ち上げぶり(まあ自チームのHPですからね(笑))、良い試合になるであろうと親善試合が6月1日に行われると伝えています。ちなみに同チームは昨年のリーグ戦では参加14チーム中6位、さてどんな試合になることやら。

 

 今日(20日)の新体制発表会見では、川崎フロンターレの武田代表取締役社長も「6月にコンフェデレーションズカップがある関係で、6月が中断期になります。このお休みを利用してベトナムに遠征しようかなと思っています」と語っており、情報としてはかなり堅いようです。

 

 ちなみに親会社のベカメックスIDCは不動産、工業団地のディベロッパーで、相当多くの事業をこなす大企業グループのようで、日本からの投資も誘致する工業団地経営をしているせいか同社日本語HPも思ったより整っていてビックリです。Goal.com記事では「日本の東急電鉄と共同事業を行っており、その縁で試合が実現」ともあります。そういう縁が主なのか、それともJリーグとしての働きかけなども大きいのかはわかりませんが、日本とのコネクションも色々あるのでしょう。

 

 ベカメックス・ビンズオンFCは昨年11月に行われ、日本からはアビスパ福岡も参戦したBTVカップにも参加するなど、確かに各種の海外チームと交流に積極的そう、そしてとりあえず親会社もしっかりしていてそれを行う余裕もあるのかも知れません。Jリーグと提携したとはいえ、まだまだJとの交流は(タイなどと比べても)始まったばかりのベトナム。このブログ最初の記事でも書いたように、今年は3チームくらいはベトナムに来るのではという報道もあります。いよいよ1チーム目がJ1チームと明らかになったということで、今年はこりゃ本当に結構来るかな!?

 

ベルマーレ2013年度陣容決定!チームのスタメンや如何に??

 いよいよ2013年湘南ベルマーレの陣容が明らかになって来ました!登録選手および背番号の紹介が出て、補強合戦もとりあえずこれで一息ということでしょうか。自分なりにスタメンのイメージ(というか期待)を併せて紹介すると以下の様な感じでしょうか。

 

     キリノ      :中村、大槻

  馬場    武富    :エジバウド、古橋、岩上、菊池、吉濱、河野、田村 

 高山       古林  :猪狩、亀川、荒堀、中川 、前田

   永木  グギョン      :下村、岩尾、梶川、村岡 

 大野  遠藤  ハンジン :鎌田、島村、宇佐美 

     阿部          :鈴木、安藤

 

 

 印象としては、「更にチーム内の競争を加速させるための陣容」といったイメージ。ついつい昨年のスタメンをイメージ(というかひいき)してしまうので上のようにしていますが、はっきり言って実際はもっと新加入選手がスタメンを取る可能性も高いでしょう。特にエジバウドなんてあんまりどんな選手かわからないから、本当にどうなることやら。まあそういう意味では、昨年もそうでしたが、毎試合誰がスタメンに出るかわからないというチョ・キジェスタイルが今年も続くという雰囲気がします。個人的には平塚の男の再爆発を願う馬場と、キックの正確さとプレーに広い視野があると思う岩上の活躍に期待したいですね♫

 

 真壁社長もスカパーの昇格特番で話していたとおり、2010年の(苦い)経験も踏まえると、超大物をガツンと連れてこれない市民クラブでは「若いチームとチーム力全体が一緒に伸びていくようでないとJ1ではやっていけない」という言葉の通り、若くて走れそうな選手が新たに多く入ってきた点では、なんというかワクワク感のある補強になったのではないでしょうか。2012シーズン前の登録選手が27人なのを考えると、今年の34人はかなり多い感じ。この補強の勢いを裏付けるスポンサーの発表を次は期待したいところです。

 

 多くの方が指摘する通り、「DFの高さとか、GKとか大丈夫?」という点は感じるところ(というか前はちょっと多すぎ!?)ですが、これもある意味攻撃的な姿勢を示す、「2点取られたら3点とる」というサッカーをしようというメッセージでしょうか。とにかく今年も楽しい湘南スタイルのサッカーを見せて頂きましょう!

 

ベトナムで人気のない職業・・・サッカー代表監督を巡る迷走

 

 サッカーの代表監督といえば、サッカーの指導者としての花形とも言えるべき職業。しかし、残念ながらベトナムではそうではない模様。1月11日付現地紙TuoiTreは新しいベトナムサッカー代表監督人選をめぐるドタバタを伝えています。

 

 ベトナムVリーグのSHBダナンFCの監督、Le Huynh Duc氏は先日「代表暫定監督に就任か?」との報道に「首を縦に振ったことはない」とそれを否定した。同氏によると確かにベトナムサッカー協会(VFF)のチェアマンであるNgo Le Bang氏より就任要請があったが、「クラブ日程もあるので相談してから」としか回答してないとしており、就任要請を承諾したとの報道を否定している。インタビューに答えてDuc氏は「クラブの日程が3,4,5月と詰まっており、とても代表監督を責任持って受けられない」と就任に否定的だ。

 

VietNam - the Champion

 

 2008年SuzukiCup優勝の時は街中が大騒ぎに!でもこれが負けると・・・

(写真はFlickerより)

 

 この記事の2日前には、Hoang Anh Tuan監督(Vicemセメント・ハイフォン)が「世論の圧力が強すぎる」としてVFFの就任を辞退したという記事が報じられた・・・と思ったら、なんと先ほどググったら「やっぱりHoang Anh Tuan氏は代表暫定監督就任の要請を突然受けた」というVietnamNetの記事を発見。自体は二転三転、一体どうなっていることやら・・・?

 

【背景&ちょっと解説】

 ベトナムサッカーは昨年暮れに行われたSuzuki Cup(東南アジア各国対抗で行われる2年に1回のカップ戦)でまさかの予選敗退。自分も出張中でたまたまハノイでテレビ観戦した試合もあるのですが、連日「失望」報道が相次いでいました。2008年には優勝にも輝いた大会(上の写真の街の興奮ぶりを参照)で決勝トーナメントにも進めず、代表、更には代表監督であるPhan Thanh Hung氏は国民からの大ブーイングを浴びた経緯があります。更に今年はリーグのドタバタで開幕が遅れたVリーグも3月初からと今後のベトナム代表試合日程とかぶるところが多く、この「火中の栗」の代表監督を誰もやりたがらないのが実情のようです。ちなみに、今回はとりあえず2月から始まる2015年アジアカップ予選の2,3月の2試合をこなすためだけの「暫定監督」選びということで、それゆえにクラブ監督との兼任もやむなしとしているそうなんですが、それがまた人選の難しさを招いているようです。

 

 TuoiTre紙は記事横に「軽んじられる栄誉」と題し、代表監督という本来最大のめいようである職業が忌み嫌われる状況を嘆いています。HuynhDuc氏はクラブの日程を理由に代表監督就任を固辞するべきでないと論じる一方、ベトナム代表が負けるたびにそれを選手と監督のせいだけにして、監督を選んだ責任をもって監督をサポートしないベトナムサッカー協会の体制も批判しています。

 

 まあベトナムのメディアも適当なところがあるので、「承認要請、受諾」みたいなところもどこまできちんと確認が取れて出しているかは当然当事者しかわかりません。でも、Vリーグを運営するVPFには日本人副会長も招聘を試み(前々回ブログ記事参照)、何とか状況を良くしようとするベトナムサッカー界に、越えるべきハードルが幾つもあるのは確かなようです。本当にこのHoang Anh Tuan氏が代表監督を受けるのかもちょっと分かりませんが、暫くゴタゴタは続くかもしれません。アジアカップ予選初戦は2月6日、UAEとのホーム戦までもう1ヶ月切ってるんですが・・・。

 

タイリーグからJリーグ、湘南ベルマーレへ!?タイ人選手じゃないそうだけど。

 

 試合の無い今の時期は皆移籍情報を見て一喜一憂するサポーター心理。我らが湘南ベルマーレに関してもDF大野の残留が決まって、ほぼ昨年のスタメンが残ったことで少しホッとした年始の最中、ネット上を駆け巡った移籍情報に「タイのムアントン・ユナイテッドの元ボリビア代表エジバルド・ロハス・エルモサ(27、FW)がベルマーレに入る!?」というもの。

 


Edivaldo Rojas Hermoza

  ベルマーレとタイのつながりと言えば、2011年シーズン開幕前にタイでキャンプを行い、その中ではトヨタプレミアカップ2010に参戦し、タイポートFCと対戦したと言うのが近いもののよう。試合は2-1で負けちゃったそうですが、もしかしたらこの頃からタイリーグとの各種つながりができ始めていたのでしょうか?今回の移籍情報の結末にも注目です。ちなみに2013年2月に行われるトヨタプレミアカップ2012には名古屋グランパスが出場予定だそうです(やはりそのままキャンプを行うとのこと)。更にちなみに昨年はベガルタ仙台、こういうのはどういう風に選ばれているのやら・・・?ベガルタも負けているようなので、第1回から一度も日本が勝っていないことに、その意味ではグランパスに頑張ってほしいですね。

  

 と、ここまで書いていると、何と今年のベルマーレもシーズン前キャンプもタイでやるとのこと。しかし今年は上記のようにトヨタプレミアカップに呼ばれているわけでもないところかすると、もうそれ抜きでもかなりの交流関係ができているということでしょうか?上記グランパスと日程も近めで、「現地で練習試合?」なんて憶測も。(個人的にはベトナムにも関心を持って欲しいところですが…)でもアジアサッカーに目を向けて交流が図られるのは良いことですね。ゆくゆくはタイ人プレーヤーとかもJリーグ、更には湘南ベルマーレに!?

 

ベトナム・プロサッカーリーグ運営に日本人??東南アジアとJリーグの結びつき

 2013年、明けましておめでとうございます!いきなり風邪をひいたりもしてしまった年明けですが、昨年はさぼっていた発信の地として、またブログ書きを活性化させられたらいいなあと思っております。正月の目標とか言うと肩肘張りますが、心がけとして頑張っていこうと思います。これまでアメブロに書いていたものは平塚で考えたアジアのこととしてベトナムや中国のアジア社会経済、そして自分自身のことについて書いていこうと思いますが、そこに書くとテーマ的にちょっと「浮く」(!?)、けど最近注目高まりまくりのベルマーレやサッカー関係、そしてそこから見たアジア各国(特にベトナムなど)との関係について書いてみようと思っております。どちらもお見知りおきのほどを宜しくお願い致します。


 さて、一昨年北京から日本の地元に戻ってやたら湘南ベルマーレにハマって以降注目しているサッカーの話題は、それ自身としてスポーツ観戦として楽しんでいますが、日本とアジアをつなぐ切り口としても面白いと思います。ベトナム・ハノイ在住の友人から教えてもらい、年明け気になった記事は「ベトナムプロサッカー社(VPF)に日本人副会長就任か!?」というニュース。VPFは会社形態ですが、ベトナムのプロサッカーリーグであるVリーグを運営する組織です。

$平塚で考えたアジアのこと-marinos
このJリーグの熱気と東南アジアの熱気をブレンドすることができるか?
(写真は第91回天皇杯準決勝のマリノスサポーター)


 ベトナムのサッカー専門紙「BongDa」ウェブサイト昨年12月30日付記事によると、副会長候補は田部和良氏。Jリーグチェアマン(大東チェアマンのこと?)直々にVPFに紹介されたとあります。田部氏は横浜FCアビスパ福岡、そして2012年まではFC琉球でクラブ経営に関わっていたとして、2004-2007年はフランスのグルノープルフット38でもクラブ経営に関与したと紹介されつつ、2013年の正月明けにもベトナムに飛び契約をするかと伝えています。(以上全てママ)

 同じくベトナムメディアのNguoiLaoDongでも同様のニュースが伝えられ、今年は日越友好40周年という節目の年で、Jリーグからも3つ程のチームがベトナムを訪れて交流を行うだろうとしています。しかし、同ThanhNienオンライン記事にはこのアイディアに慎重な意見も。経済発展の度合いも全く違う日本からのリーグ経営者を連れて来て、それとベトナムの現状が合うのか、そこに危惧を抱く(まあ真っ当な)コメントです。

 特にこの記事の中でも触れられているとおり、ここ数年はベトナム国内経済も好調とは言えず、これまでがっつりクラブをサポートしていたベトナム企業も厳しい状態。最近ではハノイFCチャアマン、ベトナムのプロサッカーリーグ(Vリーグ)副会長でもあったAsia Commercial BankのNguyễn Đức Kiên氏が横領などの罪で逮捕され、同クラブも解散となるなど、Vリーグの各クラブの経営は厳しい状態が続いています。それらも背景にあってのこういった慎重コメントでもあるのでしょう。ただそれがゆえに、しっかりとしたリーグ経営のノウハウを模索しているというのもベトナムのサッカーリーグの現実のようです。

 近年日本サッカー関係者、例えばJリーグなどは東南アジア進出を活発にしていて、ベトナムもタイやミャンマーなどと並んで東南アジアでプロリーグと提携関係にある国の一つです。この件では電通がベトナム現地会社と合弁でDentsuAlpha(何かウェブサイトの情報量が少ないのですが・・・)という広告会社を設立し、そこが推し進めているようです(電通のプレスリリース参照)。ベトナムのプロサッカー、代表のレベルは正直「?」ですが、9千万人を超える人口かつサッカーに関しては相当熱いサッカーファンがいることは事実。既にベトナムのケーブルテレビでは毎週2試合ほどJリーグ生中継も始まっており、いよいよ日本側が人材も送る(と伝えられていますが、日本側の仕掛けがどれだけなのかは不明ですが)となれば更なる緊密化は本格的でしょうか。

 各種サッカー雑誌でも「その熱気を取り込め!」と熱いアジア市場、東南アジアにおける日本サッカーは新たなブランド、ソフトパワーとしても有効なはず。欧州で活躍する日本人の多さからも、日本のサッカーレベルの高さはベトナムにも伝わっています。更に具体的なクラブ間交流、人の交流などが始まると面白いことになりそうです。